2012/03/29

ホワイツのスモークジャンパーとパッカー

今日はホワイツのスモークジャンパー(右奥)とパッカー(左手前)を並べて写真を撮ってみました。


両方とも、すでに別の記事で紹介しています。

黒いクロムエクセルレザーを使ったスモークジャンパーが着用1年、ブラウンのオイルドレザーのパッカーが着用2年程度でしょうか。
それぞれがエイジングして味のある表情になってきたように感じています。


この並べ方ではあまりわかりませんが、スモークジャンパーのほうが7インチ高なので、8インチ高のパッカーよりすこし低めです。
でも、写真で違いがわからないのは、撮り方だけじゃなく、そもそものソールの違いもあって、ヴィヴラムの#100をはいたスモークジャンパーのほうが#700をはいたパッカーよりソールの厚みがある分、全体的な高さの差が縮まっているのです。

もうすこし上から撮った写真も。




こうやって上からみると、トゥーの部分の形状の違いがよりわかります。

パッカーのシャープなトゥーラインに比べて、スモークジャンパーはトゥーキャップを被せてあることもポッコリとした形状になっています。
このポッコリとした形状が#100ソールのごつさやクロムエクセルレザーの鈍い光沢とあいまって、このスモークジャンパーの印象をとても無骨なものにしてくれていて気に入っています。

逆にシャープなパッカーは、レースアップブーツながらウェスタンな雰囲気を醸し出してくれていて、まったく別の雰囲気のブーツとして気に入っています。



この違うアングルの写真でも良い感じ。
エイジングしたホワイツのブーツって本当に絵になるなと思います。

1つ前の記事で紹介したセミドレスを加えた3足のホワイツブーツは、僕がもっているブーツの中でも特別な3足です。
これからもエイジングで変化する表情を楽しみながらはきこんでいきたいと思います。

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2012/03/28

White's Semi-Dress French Calf Burgundy

今回はホワイツのセミドレスを紹介します。


これまでスモークジャンパーパッカーを紹介しましたが、このセミドレスが僕がもっている3足のホワイツの最後の1足になります。
5インチ丈のブーツなので、これからの時期から夏場にかけては重宝します(はい。真夏でもブーツ派です!)。

購入した順でいえば、パッカーが最初で、このセミドレスが2番目、最後に買ったのがスモークジャンパー。このセミドレスははきはじめて1年と8ヶ月ほど経ったところです。


フレンチカーフという光沢のある革を使ったブーツですが、甲のあたりに良い感じのシワが刻まれているのが気に入っています。色はバーガンディーです。
下の写真のように内側には白いレザーライニングがはられていますが、フレンチカーフは革が薄めでやわらかいのでライニングが必須だそうです。


あと色でいえば、アッパーとソールをつなぐコバのステッチが白い糸が使われているのも気にいってるポイント。こちらもパッカー同様に、ウェアハウスの別注です。

後ろからみたところ。



積み上げレザーのヒール部分のカーブはホワイツブーツの特徴といえるデザイン。
この写真だと足首の部分にもシワが刻まれているのがわかりますね。

そして、ソールはレザーソールで、ヒール部分にだけクオバーグのソールが使われた仕様です。レザーソールなので雨の日は履きません。



このレザーソールのおかげでブーツ全体の雰囲気がシンプルで、とてもクラシックな印象になっています。

レースアップ部分は上2つがフックの仕様。
コットンの紐が使われています。



近くで見るとエイジングの感じがよくわかりますね。


何にでも合わせやすいブーツですが、上の写真のようにもちろんデニムもしっくりきます。


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2012/03/23

Russel Moccasin Cavalier

今回はラッセルモカシンのキャバリエを紹介します。


このキャバリエは前に紹介したゼファーと同様に10インチ高のプルアップタイプのブーツになります。
このキャバリエには、日本で普通に売られているラッセルモカシンではあまり見かけない、エスプレッソナビゲーターという光沢のある革が使われています。エスプレッソという名のとおり、濃いめのコーヒーのような非常に濃い茶色をしています。

前からみるとゼファー同様に足首のあたりにサイズの調整用のストラップがついています。


ただし、ゼファーのように背面にジッパーが配された仕様ではなく、エンジニアブーツのように履き口にアジャスターとしてのストラップがついた仕様になっています。


とはいえ、パンツがシャフト部分にかぶさった状態では、ジッパーも履き口のストラップも見えなくなるので、ゼファーとこのキャバリエではあまり印象が変わらないはずです。

 でも、ゼファーとキャバリエでは、ジッパー仕様かストラップ仕様か以外にも違いがあります。
まず下の写真は、キャバリエ(右)とゼファー(左)のかかと部分を比べたものですが、シャフト部分とヒールの部分をつなぐステッチに違いがあるのがわかるでしょうか。


さらに下の写真の前から見た状態をくらべてみるとわかるのですが、ゼファー(右)では前半分のみのモカシン縫いが、このキャバリエ(左)では靴のまわりを一周しているんです。


さらにこの前からの写真ではもう1つ違いがあります。
シャフトと甲の部分のアッパーのレザーをつなぎ方が、キャバリエではシャフト部分が上になるように重ねられていて、ゼファーではアッパー部分が上になるように重なっているのです。

あと、これはキャバリエとゼファーの違いではないのですが、僕のもっているキャバリエはDワイズなので、Eワイズのゼファーに比べて前からみた印象が細身ですっきりしています。
このワイズの狭さと、ジッパーなしのプルアップタイプであるためにゼファーよりシャフトが太いので、上からみると、こんなバランスになります。


ずいぶんシャフトが太く感じられますよね。
実際にもシャフトは結構太くて、裾幅の細めのパンツだとこのシャフト部分をパンツの下に隠すときにちょっと困ったりもします。

このキャバリエも着用2年ほど経って、光沢のあるレザーにもようやく味が出てきたところです。
さすがに真夏には履けないので、まだ涼しめな春先にはなるべく機会を見つけて履きたいと思っています。

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2012/03/22

Heller's Cafe 1910's Lion Brand Sack Jacket

今回はヘラーズカフェのカバーオールを紹介します。


Heller's cafeは、シカゴで同名のヴィンテージクロージングを扱うショップのオーナーであり、著名なヴィンテージディーラーとして知られるラリー・マッコイン氏がウェアハウスとタッグを組んで展開しているコラボレーションブランド。
ラリー・マッコイン氏の所有する貴重なコレクションを元に、19世紀後半から20世紀前半のワークウェアを中心にリプロダクトしたラインナップで展開しています。

今回紹介しているこのジャケットも、カバーオールがまだサックジャケットと呼ばれることも多かった1910年代の、ゲートウェイMFGというメーカーのブランドだった「ライオンブランド」の一着を再現したモデルです。


この時代のサックジャケット全般にいえることですが作りは非常にシンプルです。
上の背面からの写真のほうがよくわかりますが、シルエットは裾にかけてゆるやかに広がっていくAラインになっています。

素材はライトオンスのデニムを使っています。
下の写真にみえる大きな襟も特徴的です。
この大きな襟がAラインのシルエットとマッチしていて、こうやってハンガーに吊るした状態より実は着た方がだんぜんかっこいいジャケットです。



もう1つ特徴的なのが、この左胸についた懐中時計を入れるための胸ポケットの形。
カバーオールのポケットの形状といえば直線的なカッティングで五角形をしたものが主流ですが、このジャケットは下の写真のとおり、下の部分が弧を描いた仕様になっています。


ボタンは黒いラッカーが塗られたものを使っています。


着用1年と3月ほどですが、最初のうち、よく着込んだこともあり、だいぶアタリや味が出てきています。

ライトオンスのデニムなので、ジージャンタイプのデニムジャケットのように肘裏のアタリなどは出ていませんが、下の写真の袖口部分やパッカリングが見られるポケットまわりや裾の部分に出たアタリはなかなか良い感じで気に入っています。


袖口の赤いカンヌキもだいぶ色褪せてきています。
2年、3年と着込んでいったら、どんな風に変化するのか、今後が楽しみです。


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2012/03/21

Warehouse Duck Hunting Jacket

今回紹介するのは、ウェアハウスのダックハンティングジャケットです。


ウェアハウスによるリプロダクトですが、元ネタは、1908年のメールオーダーカタログに同型のジャケットが紹介されているものだそうです。
アメリカにおいてハンティングというスポーツ自体が大衆化する以前のまだ富裕層の娯楽スポーツであった時代のジャケットです。

ハンティング自体が大衆化していく過程において、そのウェアもよりデコラティブなものに変化していったそうですが、それ以前の1920年代までのハンティングジャケットに関しては極めてシンプルなもので、代わりに英国由来のテーラードの香りが残る縫製仕様や、裾の部分の丸くなったカッティングなどはまさにテーラード的な印象をを与えます。

このジャケットもそんな時代のものをリプロダクトしただけあって、例えば、ハンティングジャケットの特徴であるコーデュロイをあてた襟も、小ぶりで上品な印象を与えます。
ちなみに写真はありませんが、この襟元以外にももう1カ所肌が直接触れる部分であるカフス部分の裏にもコーデュロイがあてられています。


素材は、ハンティング中にブッシュが刺さらないよう、高い強度をもったダック地を使っています。写真では伝わりきれないのですが、とても素材感のある良い生地感のダック地です。
ボタンもまたナットの削りだしのものが使われていて、とても上品な印象です。

それから、胸元には大小2つのポケットがついていますが、こちらも後の時代のものに比べるととてもシンプルな仕様で、下のほうのポケットにフラップがついている程度です。


ちなみに前立て部分にステッチがはいっているのがわかりますが、こちらもなかに獲物を入れる大きなポケットになっているのは、ハンティングジャケットの特徴的なデザインだといえます。

それから袖口。アジェスターがついた仕様です。
こうしてみると購入して1年ですが、すこしダック地にアタリが出ているのがわかります。


さて、今度は背面を見てみましょう。
後ろからみた方がAラインのシルエットがよくわかります。
ハンティングジャケットなので、背面にもゲームポケットがついています。


このゲームポケットは先の前立て部分のポケットとつながっていて、ジャケットの中をみると、こんな淡いグリーンの裏地がジャケットの裏側全体をポケットの役割を果たすようにしているのがわかります。


同じグリーンの生地は前の一番下の部分にあるポケットの中やフラップの裏側にも貼られています。
こちらのポケットは写真のように2つに分かれていて真ん中の部分をレザーで補強されています。


このポケットまわりでもダック地にアタリが出ているのがわかります。

このジャケットに限らず、ダック地ってデニムとは違った味が出る素材なので、とても好きです。
特にウェアハウスのダック地って、他ではない生地感のダック地がそれこそアイテムごとに生地を変えて使われているので、1つ1つのエイジングを楽しむだけでもおもしろいんです。
このジャケットも着込んでいくうちに、さらに良い味が出てきそうな雰囲気をもっているので、これからが楽しみな一着です。

2012/03/16

Sanders Cheltenham (Full Brogue Derby Boot)


今日はサンダースのフルブローグブーツ “Cheltenham” を紹介。


サンダースは、1873年にウィリアムとトーマスのサンダース兄弟がイギリスの製靴の聖地とされるノンサンプトンシャーで創業されたサンダース&サンダース社のブランドです。

現存するノーサンプトンのシューメーカーで、サンダースより長い歴史をもつのは、トリッカーズ(1829年)とグレンソン(1866年)のみで、チャーチも同年の創業だそうです。つまり、3つ目に古い歴史をもつメーカーということです。市場での取扱自体が少ないこともあって日本での知名度では適いませんが、あのクロケット&ジョーンズ(1879年)やエドワード・グリーン(1890年)などよりも長い歴史をもつ老舗というわけです。
歴史の長さだけではなく、現在もイギリス国防省のユニフォーム用の靴の大部分をサンダースが担当していたりと、ギーブス&ホークス、マルセル・ラサンス、A.P.C.などのブランドのOEMも手がけるなど、その実力も認められているブランドです。



さて、このフルブローグブーツである “Cheltenham” ですが、ラルフ・ローレンの歩みを紹介した写真本『Ralph Lauren』に掲載された写真の1枚にこれとよく似たブーツを履いたモデルの写真が掲載されています。
実際、サンダースは、すでに挙げたブランドのほかにラルフ・ローレンの靴を手掛ています。この “Cheltenham” をラルフ・ローレン用に製作し直したものが先の写真で履かれていたブーツだと思われます。

ラルフ・ローレンが好きな僕自身もサンダースのブーツを買ったのは、そうした経歴をサンダースがもっていたからです。

それが3年半くらい前のことでしょうか。
今ではこんな感じで結構味のあるブーツに育ってきています。




ノーサンプトンのシューメーカーらしくグッドイヤーウェルト製法でつくられていて、適度に張り出したコバがスタイリッシュになりすぎない無骨な印象を与えてくれます。
このあたり、ドレスシューズではなく、トリッカーズのカントリーブーツの名品 “Malton” と同様に、もともとハンティングなどに用いられていたブーツらしい表情をみせる1つの要因かと思います。

とはいえ、内側もしっかり革張りさえているあたりは、アメリカのワークブーツとは異なる上品さも兼ねそなえていたりもします。




そして、ソールには、英国カントリーシューズらしくコマンドソールを採用しています。


こちらも、似たように深く溝が刻まれたソールでも、White's Smoke Jumperでも採用されているヴィブラムの#100ソールとはまた印象が違います。


そして、フルブローグの穴飾りが施されたトゥー部分。


だいぶ色が落ちてムラになっているのいい感じで、気に入っています。
甲の部分のしわもお気に入りです。


ほかのワークブーツなどとは違い、このブーツは普段はジャケットにグレーパンツなどドレス寄りのスタイルをする際に履いています。
まあ、ドレス寄りとはいえ、このブーツ同様、上品さとタフさを兼ね備えたような、ツイードのジャケットや同じように英国アウトドアを感じさせるワックスドコットンのコートなどと合わせるのが気分です。


2012/03/14

Red Wing Pecos 11inch

今回はレッドウィングのペコスブーツを紹介します。


1905年、アメリカミネソタ州のレッドウィングという街で、チャールズ・ベックマンが14人の仲間といっしょに小さな工場として設立したことからはじまったレッドウィングに関しては、ここであまり多くを説明する必要はないと思います。現在でもアメリカ国内での生産にこだわる世界の代表的なワークブーツ・ブランドです。

そのレッドウィングが誇る、俗にアイリッシュセッターと呼ばれる名品877などと同様に、代表的なモデルとして知られるのがペコスブーツです。
シューレースのないプルアップのタイプのブーツで、下の写真のようにウェスタンブーツにも似たシャープなトゥーラインが特徴的です。



そのペコスブーツが誕生したのは1953年だそうです。
その名前は、牧場や農場で活気づくアメリカ中西部エリアを流れるリオ・グランデのほとりにある街であるペコスに由来します。
その地に生きるファーマーたちのために、牛を誘導するときの乗馬に適した高いヒールをもち、鞍にブーツを引っ掛けないためにシューレースが省かれているデザインをもったブーツとして発表され、リリース当時から高い評価を得たといいます。



よく見かけるペコスはどちらかというと、9インチの高さで、877や875などでも使われていておなじみの白いクレープクッションソールが使われたものだと思いますが、このペコスは11インチの高さで、ソールはレッドウィングのオリジナルの樹脂にコルク片が混ざったコルクソールが使われています。

3年くらいはいているので、クッションソールよりは減りにくいコルクソールといえども、だいぶ減ってきていますね。




日本で売っているブーツは幅広の日本人の足にあわせてEワイズのものが多いのですが、僕が履いているこのペコスはすこし細いDワイズです。それもあって元よりシャープなトゥーのラインもさらに強調されています。



こうやって見ると、トゥーの部分もなかなかいい味が出てきています。

履き口の両側にはこんなプルストラップがついているので履く時に便利、といいたいところですが、実は僕自身あんまりストラップに指をひっかけて履くことはしません。


9インチのペコスだと、このプルストラップの部分に"PECOS"の表記があるのですが、これは写真のとおり、何の表記もされていません。この部分も9インチとの違いになります。


割とどんなコーディネイトにもはまるブーツですが、中でもやっぱり上の写真のようなネイティブ&カウボーイ的な着こなしにフィットするブーツだと思います。

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2012/03/13

WAREHOUSE 15th ANNIVERSARY 2002XX (Embroidered)

さて、今回はウェアハウスが15周年を記念して制作したデニムジャケットを紹介します。


このジャケットは、ご覧のとおり、アメリカが黄金時代を迎えた1950年代に生産された某ジーンズメーカーの通称"2nd"をベースにしたタイプです。
左右の胸にそれぞれポケットがあり、前立ての両側にプリーツが配されています。

先日紹介したLee × Warehouse ホワイトレベールのジャケットも前にプリーツが入ったデザインでしたが、同じようなデザインでも両者はまったく印象が異なります。
いちお並べてみましょう。


色落ちしているせいもありますが、Leeのほうが荒々しい印象で、こちらのほうがおとなしめです。写真で見るよりも着た感じがまったく異なる2着です。

メンフィス産の綿で作ったデニムを使っていて、最初のうちはとても毛羽が目立つ生地感です。見た目だけでなく、着ていてすごく弾力を感じる生地感です。

写真だとちょっとわかりづらいのですが、この胸ポケットあたりの写真で生地感が伝わるでしょうか?


14オンス弱くらいの厚みでオーソドックスな生地ですが、着込めば着込むほど、味が出そうな感じが漂っています。この状態で10ヶ月くらいの着用期間、洗濯は3、4回くらいしたと思います。

さて、このジャケットの特徴は、何と言っても、この背中のチェーン刺繍でしょう。


もうすこし近づいてみると、こんな感じの刺繍です。


1950年代のカリフォルニア州にあったブルシッパーズのものをモチーフにした、ウェアハウス15周年の刺繍が施されています。

上の写真だけではわかりづらいのですが、下の写真のように牛の顔、筆記体の文字も含めてチェーン刺繍で描かれた凝った作りです。


ほかのディテールを見ていくと、まずは首元には、こちらも牛の絵が描かれた革パッチ。


そして、ボタンは白塗りの鉄製のボタン。色が剥げてきています。
セカンドなので、ボタン位置とおなじ位置にプリーツをとめる縫製が入ります。


あとは背面の腰の位置にはボタン式のアジャスター。
こちらのボタンもいい感じに塗装が剥げてきています。


まだまだ、だいぶ濃いインディゴが残っている状態なので、これから着込んで味を出していきたいジャケットです。